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ピアノ弾きの皆さん、 「合わせ物」しませんか?

 「合わせ物」と書きましたが、 要するに「アンサンブル」のことです。 ただ、 私は、 いわゆる、 「複数の楽器による合奏」以外にも、 もっと広い意味に 「合わせ物」 という言葉を用いています。

 ピアノという楽器は、 一応、 旋律も 和音も リズムも ひとりで処理 できてしまう楽器です。 例えばヴァイオリンなどの擦弦楽器も 一応和音は演奏できますが、 ピアノほどの 自由度はありません。 管楽器に至っては和音演奏は 全く不可能です。 こうした楽器と比べ、 ピアノは1台で完結した音楽を 演奏できてしまう楽器なのです。 (あと、 ギターなどもこれに近い 特徴を持っているかもしれません)

でも、 これはクラシックの楽器では珍しい 特徴ではないかと思います。 「ピアノソナタ」 はまさにピアノ1台のみで演奏されるソナタですが、 「ヴァイオリンソナタ」 「チェロソナタ」というとき、 これはそれぞれヴァイオリン1台やチェロ1台のみで 演奏されるソナタではないですよね。 ピアノのオブリガートがつきます。 たったこれだけのことでも、 ピアノという楽器が、 クラシック音楽の中である種の 「特殊な地位」 を占めている、 ということを、 示しているように思います。

さて、ピアノ弾きには 「合わせ物」 の経験は必要なんでしょうか? 私は「必要」だと思っています。

 まず、 ピアノ曲を弾くときに、 ピアノ以外のジャンルの 經驗が生きてくることがあるからです。 およそ世間の有名なピアノ曲を 作曲した人々のほとんどは、 ピアノ以外のジャンルの曲(交響曲、 室内楽等)にも手を染めています。 そして、 ピアノ曲で開発した作曲技法を ピアノ以外のジャンルへ 応用したり、 また、 その逆を行ったりするということが 頻繁に行われてます。 例えば、 モーツァルトのピアノソナタには 「すべての楽器の音が含まれている」 と言ったピアニストが居るそうですが、 これは、 おそらく誇張ではありません。 私のような へたくそアマチュアが見ただけでも、 モーツァルトのピアノソナタの音符の中には、 オーボエ、 クラリネットとファゴットの組み合わせの音色、 あるいは、 ファゴットとヴィオラとチェロとバスのユニゾン、 弦のトレモロ等が連想できる箇所があります。 こうした場合にはピアニストはこの曲を ピアノ1台のための曲ではなく、 「ピアノ1台を用いたオーケストラの曲」 として取り扱うべきだと思います。 このとき、 もし、 ピアニストに少しでもオーケストラの經驗があれば、 できあがるピアノの演奏は、 オーケストラの經驗のない人 では考えられないほど 具体的な響きを与えてくれるでしょう。

 もう1つ。 「ピアノは左手と右手のアンサンブル」 と喝破されたかたが居られるそうです。 私はピアノを弾くときに これを常に 意識しているわけではありません。 しかし、 以下のような場合にはこのことを 感じることがあります。

「ピアノは左手と右手のアンサンブル」 という話は 恐らく真実を付いているのでしょう。 この意識のもたらす効果が どれほどのものか まだ私には分かりませんが、 1つには「曲の表立ったパート(主旋律)」 「曲を裏や下から支え、 目立たないが、 実は全体をコントロールしているパート (低音など)」 「雰囲気などを形成するパート (低音や、 内声の充填和音)」 などの協調を意識することで、 曲の陰影を明確にする、 あるいは伴奏パートの基礎をがっちり固めておいて、 上声をそれに乗せることで、 より 「自然なテンポの演奏」 を実現する、 などが思いつきます。

そして、 こうしたことを実感として 体驗するには、 まず、 「アンサンブル」 そのものが何かというのを 会得する必要があるのだと思います。

でも、 こうした難しい理屈を抜きにしても、 アンサンブルは楽しいものです! なによりも相手との やりとりがありますんで、 自分の演奏のまずい点、 うまい点などが、 相手からどんどん フィードバックされてきます。 ピアノはアンサンブルの機会が 他と比べて少ないですが、 それでも、 連弾、 伴奏など、 いろいろ機会をみつけて アンサンブル経験を 積んでみてはいかがでしょうか(^-^)。 他の楽器や合唱などに 手を染めるのも良いと思います。 一人で音楽を行うのとは 違った楽しみが見つかりますし、 この經驗、 きっとソロピアノにも 生きてくると思います。

(1998.Oct.17)

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