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「合わせ物」で 必要なこと(独断^^)

 ピアノ弾きの人は、他の楽器の人に比べて、 他の人と「合わせる」経験が少ない傾向があるかもしれません。 ピアノ以外の楽器の人は、ピアノ弾きと比べて、 他との「合わせ」の經驗が多いのかもしれません。

 でも、ピアノにも合わせ物の機会はあります。 1つは「連弾」 「2台ピアノ」といわれる、同種の楽器の重奏です。 それ以外に、各種の曲の「伴奏」もあります。 「旋律も和音もリズムもひとりで処理できる」という特徴は、 ピアノが甚だ優れた伴奏楽器であることをも意味しています。 また、ピアノを用いた室内楽作品も多いです。

こうしたもののうち、 よく起こるのが、 ソロピアノしか行ってきたことがない人に、

「君、ピアノ弾けるでしょ? 今度この曲の伴奏してよ」

という依頼が入るパターンです。

「この曲」とは合唱だったり、 ソロの歌だったりします。 ところがこれが思いのほかうまく行かない。 ソロピアノはショパンの バラードとかをバリバリ弾いたりする人が、 伴奏になると全体の足を引っ張ったりしてます。 逆に、 ソロを弾くと実に貧弱なのに、 伴奏がやたらとうまい人もいます。 「合わせ物」には「ソロ」とは全く異なった 別の技術が必要なようなのです。

というわけで、 (ずいぶん前置きが長くなりましたが^^) 「合わせ物」で必要な事とは何なんでしょうか、 と言う話です。 私は合唱の伴奏を少しかじったことがあるんですが、 そのときに感じた経験を少し書いてみると、

1.まず自己の確立

 逆説的な言い方なのですが、 「他の人に合わせよう」 とばかり考えていても決して合いません。 これは、 他の人の音を聞いてから入ろうとすると、 結果的に自分の出が遅れる、 ということが1つの原因です。 特に低音系の音(合唱の男性、 アンサンブルの低音楽器)は、 発音動作にはいってから 音が出るまで少し時間がかかっていますので、 これに合わせたりすると、 ピアノは他に対して大変遅れて聞こえてしまいます。 私は、アンサンブルを行う場合でも、 まず、 「(共演者全員が共有できるような) 基準を自分の内部に確立しておくことが必要」 だと思います。 この「基準」とはどこでテンポを変えるかの判断」 「どこで強弱を変えるかの判断」更に進んで、 「ここは自分が主導権をとる場か、 他の人が主導権をとる場かの判断」といったようなものです。 行き当たりばったりというのではいけません。 これは、 頭では分かって居るんですが、以外に難しい・・・(^^)

2.コミュニケーション

 例えば、テンポについては、 他人がどのようにテンポを 変えようとしているか察知する能力、 及び、 自分がこれからどのように テンポを変化しようとしているかを 相手に分からせる能力が必要です。 特に、 この2番目の要素、 いいかえれば、「他人に合わせさせる能力」 と言うもの、 ピアノ弾きは意外に見落としがちです。 アンサンブルとは、 一種の「対話」だと思います。

3.相手の特性を知る

 弦楽器の場合、手に力を入れてから音が出るまで、 更にそれが耳に届くまでのタイミングはどのようか、 合唱の場合、ブレスがどこではいるか、そのときテンポ、 強弱はどう変化するか、 こういったものの特性を理解することが必要です。 もし可能な場合、 相方のパートをさらってみるとか、 相方の楽器に触れてみるとかするのも良い。 特に、 合唱の伴奏を行う場合には合唱側に混じって歌ってみるのは、 極めて有効だと思います。

4.「暗譜」について

 無論、 「曲を理解する」 「頭にたたき込む」と言う意味での「暗譜」は必要です。 でも、 本番中は楽譜を 置いて弾く というのが正しい姿勢だと思います。 ピアノというのは便利な楽器で、 複数の音を一度に発音できます。 従って、 特に声楽の伴奏の場合、 声楽側がコケそうになったときに、 声楽のパートを弾いてサポートすると 言うことが必要です。 (これはアンサンブルとして若干高等な業ですが) 器楽の場合にも同様です。 こうした意味で、 アンサンブルの場合には、 ソロと異なり、 本番でも必ず譜面を置いて弾く ようにすべきだと思います。 昔、合唱の伴奏をするときに 「暗譜で弾く!」 と主張したら、 「いや、何となく不安になるから、 おまえ、 楽譜見てくれ」と言われました。 どうも、 合わせ物のピアノ場合には楽譜をおいておくのが 正しい姿のようで、 楽譜を見ながら弾いているということは、 共演者にも心理的な安心感を与えるもののようです。

いろいろ行き当たりばったり書いてみましたが、 結局の所、合わせ物を鍛えるには、 「場数を踏む」のが最上です。 機会を見つけていろんな人と 合わせ物を行う經驗を持つのが よいと思います。 そのとき、 会わせるメンバーの中に誰かひとり 「合わせの達人」 がいると、 大変効果的なようです。

(1998.Oct.17)

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